令和2年3月5日
【国会改革
 
〜読売新聞のインタビューを受けて〜

  

 皆さんこんにちは!
国会は、新型コロナウイルスの対応に全力を傾注しています。一日も早い終息を目指して頑張ります。

 さて、この度「国会改革」をテーマに読売新聞の取材を受け3月3日付け朝刊に記事が掲載されました。お読み頂いた沢山の皆さまから激励のお言葉を頂戴いたしました。心より感謝申し上げます。

 私がここで申し上げたいことは、2つあります。その一つは、「野党は、桜問題を暫時打ち止めにして新型コロナウイルス対策に専念するべきである」ということです。他の一つは、「党首討論を名実ともに復活させよ」ということです。

 私が、インタビューを受けた2月の後半は、総理出席のもとで連日衆議院予算委員会が開催されていました。この頃の新型コロナウイルスの状況は、感染経路不明な感染が拡大するという新たなステージに入った時期であり、多くの国民が日々の生活に不安を感じていました。

 しかし予算委員会における野党の質問は、桜を見る会の総理批判に多くの時間を費やし、国民の一番の関心事である新型コロナウイルス対策に十分な時間を割こうとはしませんでした。新型コロナウイルス対策の集中審議にもかかわらず桜問題を取り上げ、これに対する総理の答弁を不満とするや、野党委員全員が委員長の制止にもかかわらず委員会を途中で退席するなど論外です。

 更に、辻本議員と安倍総理の委員会における言葉の応酬がメディアで報じられるなど、「こんな大事な時期に、国会や政府はいったい何をやっているのか」と国民意識との乖離が問題になりました。

 目に見えない、今まで経験したことのない新型コロナウイルスとの戦いです。国民の命と健康を守るためには、与党も野党もありません。今こそ、結束して戦う時だと思います。

 今から約20年前(1999.7)私たちは、国会の活性化と政治主導を目指して国会審議活性化法を成立させました。その大きな眼目の一つは、党首討論の導入です。国家基本政策委員会を新設し、月に1回以上、首相と野党党首が大所高所から内政外交の諸問題について直接意見を戦わせる機会を作ったのです。勿論、TV付きです。国民の目の前で総理と野党党首が、日本の当面する基本的課題について激論を交わすのです。想像しただけでもワクワクします。

 しかし、20年を経過した今、残念ながら党首討論は根付いていません。1か月に1回どころか、1国会に1回あるかどうかです。国会の活性化と政治主導という高い理想の下で出発した党首討論が、なぜ根付かなかったのか。与野党ともに今一度真剣に議論を重ね、是正すべきは是正し、国民の期待に応えられる制度にすべきだと思います。

 「国会は、国権の最高機関」であると憲法は定めています。国会の権威を高め、国民の負託に応えるために是非とも「党首討論」を実施するべきだと思います。 
              
 以上

令和2年3月5日
公明党顧問 漆原良夫